金融工学の議論で用いられる用語
今日、今野浩 著 ”「金融工学」は何をしてきたのか”(日経プレミアシリーズ、2009年)を読んだ。
そこで出てきた用語を、自分が分かる範囲でここにまとめておく。
- CDS (Credit Default Swap)
デリバティブの一種で、いわゆる保険に近い働きをする金融商品。プロテクション・バイヤーがプロテクション・セラーに固定金利を支払う代わりに、取引企業が倒産等をした場合に元本相当額をプロテクション・バイヤーが受け取れる仕組み。実際は取引企業の債券を持っていない場合でも、CDSを購入することが出来る。
企業の信用力が高いと金利は低くなり、逆に信用力が低いと金利は高くなる。そのためCDSの金利は、対象企業の信用力を測る指標として用いられる。
同じ商品の価格差を利用して利益をあげる方法。例えば通常の自販機で150円で売られているジュースが、ディズニーランドでは300円で売られているとする。そこで、自販機でジュースを150円で購入し、ディズニーランドで300円で売れば、150円分の利益を得ることができる。これを裁定取引という。(というかディズニーランドはこの方法で利益を出してるんじゃないのか?)
先物取引での裁定取引については、日本証券業協会のHPに書いてある。
要するに先物の理論価格を計算し、それに対して実際の先物価格が高い場合(割高)には、現物を仕入れて先物を売れば利益が出る。逆に先物価格が理論価格よりも低い場合(割安)には、先物を仕入れて現物を売ればよい。
- EBITDA (Earnings Before Interest Taxes Depreciation and Amortization)
EBITDA = 税引前利益+支払利息+減価償却費
税金や会計基準等の、国や環境によって異なる影響を取り除いた収益を表す。
- GNP(Gross National Product)
日本語名は国民総生産。国民全てがある一定の期間内に生産した、財・サービスの総額。生産される場所を国内に限定したGDP(Gross Domestic Product) とは違い、GNPは国内企業の海外支店等の生産も含まれている。
参考:
- PER(Price Earnings Ratio)
株価収益率
PER = 株価 / 1株あたりの当期純利益
- PBR (Price Book-value Ratio)
株価純資産倍率。1株あたりの純資産(BPS)に対して、株価がどれくらいの水準かを示すもの。
PER = 株価 / 1株あたりの純資産
総資本に対する自己資本の割合を示す。
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すっかり知識が抜けていて、この記事を書くのにものすごい時間がかかった。しかしこれらの知識は、金融関連の議論をする上では基本中の基本になる。何回も復習をして、すんなりと知識が引き出せるようになろう。